WinユーザーがMac mini M1を購入した理由・Winユーザー向け設定
今までWindows PCしか使ったことがなく、Macは使ったことがなかったのですが、このたびMac miniを購入しました。
Macを購入したのは、iOSアプリをリリースするためです。
というのも、今まで私はFlutterでAndroidアプリを開発しており、せっかくFlutterを使っているならiOSアプリもリリースしたいと思ったからです。
この記事では、様々あるMacのモデルの中でなぜMac mini M1を購入した理由、おすすめアクセサリ、そしてWindowsユーザー向けおすすめの設定(キーボード入力関係)、キーボードショートカットを簡単に紹介したいと思います。
なぜMac?
そもそもなぜMacを購入する必要があったのかまとめます。
私は、すでにAndroidアプリをいくつかリリースしています。
このアプリのほとんどは、Flutterというクロスプラットフォーム(iOS, Androidなど異なるOSで同じ仕様のものを動かせる)に対応したフレームワークを使って開発しています。
私がFlutterを利用しているのは、Flutterを使うと通常のネイティブ開発よりも簡単に整ったUIを作ることができるからです。
ただ、せっかくクロスプラットフォームに対応しているので、ゆくゆくはiOSアプリも開発したいと思っていました。
が、iOSアプリをApp StoreにリリースするにはMacを購入する必要があり、また、毎年$99支払わなければなりません。
こうしたハードルの高さから、iOSアプリをリリースすることをためらっていました。
しかし、日本国内のモバイルOSのシェアは、Androidが33.01%であるのに対し、iOSは66.82%であり、iOSがAndroidの2倍以上のユーザーがいます(2021年10月時点、statcounterより)。
これを知ったことに加え、リリースしたAndroidアプリのダウンロード数が増えてきたことから、iOSアプリをリリースしようと決意し、Mac購入に踏み切りました。
なぜMac mini M1?
結論からいうと、コスパと使用年数を考えMac mini M1にしました。
しかし、Macと一口にいっても様々なモデルがあり、どのMacを買うかかなり悩みました。
はじめは、Macの使用用途して、iOSアプリのリリース作業のみに使うことを考えていました。
それ以外の作業をWindows PCで行うことで、購入するMacのスペックを低く抑え、安くMacを買おうと考えたからです。
そこでまず検討したのは、中古のMac mini 2012を購入することでした。
Mac mini 2012(中古)
Mac mini 2012は、ストレージとメモリともに換装できるMac mini最後のモデルであり、また、4コアのcore i7が搭載されたモデルがあります(2014年モデルはデュアルコアCPUのみ)。
このMac mini 2012は、core i7 2.3Ghz, 4GB, HDD 500GBモデルで25,000円〜程度が現在の中古相場のようです(リコレ!の価格)。
メモリ・HDDを換装すれば、その分合計価格は高くなります。
メモリ(8GB, 16GB)↓
SSD(240GB, 480GB, 960GB)↓
メモリ8GB, SSD240GBなら、約1万円。
本体と合わせて約35,000円程度ということになります。
しかし、Mac mini 2012は古いモデルなので、最近のOS(macOS Big Sur以降)に対応していません。
App Storeにアプリを提出するには、最近のXcodeのバージョンを使う必要があり、このXcodeを使うには最近のOSを使う必要があります。
2022年4月以降、App Storeに提出するiOSおよびiPadOS Appはすべて、Xcode 13およびiOS 15 SDKでビルドする必要があります。
https://developer.apple.com/jp/ios/submit/
このXcode 13は、Big Sur 11.3が最小OS要件なので、Mac mini 2012にXcode 13をインストールすることはできず、App Storeにアプリを提出できなくなります。
(※非対応MacにBig Surをインストールする方法もあるようですが、当然非公式であり、不具合等リスクがあると思うのでおすすめできません。)
ということで、Mac mini 2012を購入しないことにしました。
Mac mini 2012と同様、Big SurがインストールできないMacBook Air 2012年以前も購入対象から除外されます。
Monterey非対応機種は買い?
さて、Big Sur非対応モデルを購入対象から除外したので、次に、Big Surには対応しているが、最新のOSであるMontereyに非対応のモデルを購入するかどうかを考えました。
ここで検討したのは、Mac book Air 2013, 2014です。
MacBook Air 2013, 2014 (core i5, 4GB, SSD128GB)は、30,000円〜程度が中古相場です。
このモデルは、Big Surに対応しているので、Xcode 13がインストールでき、2022年4月以降もApp Storeにアプリを提出できます。
しかし、アプリリリースのためには、Xcodeのバージョンアップを毎年する必要があります。
そのため、おそらく2023年4月ごろまでには、Monterey以上でのみインストールできるXcodeバージョンにしなければならないと考えられます。
とすると、Monterey非対応機種でアプリリリースできるのは、現在(2021年10月)からあと1年半ということになります。
2023年4月までのつなぎだと割り切って購入することも考えました。
が、さすがに1年半だけ使うというのは短く、またスペック的にも不安があるので、購入対象から除外しました。
Monterey対応の中古品は買い?
Monterey非対応モデルがだめなら、Monterey対応の中古品ではどうかを次に考えました。
Montereyに対応していれば、2年半は少なくとも利用できるからです。
そこで検討したのは、Mac mini 2014とMacBook Air 2015です。
Mac mini 2014 (core i5, 4GB, HDD500GB) は、30,000円〜程度が中古相場です。
MacBook Air 2015 (core i5, 4GB, SSD128GB)は、35,000円〜程度が中古相場です。
Amazon整備済み製品としても販売されています↓
しかし、やはりスペック面の不安(CPU, メモリ)からこれらのモデルも購入対象から除外しました。
ビルド時間が長く、エミュレーター・シミュレーターの動作が厳しそうだったからです(ざっくり調べてみた印象に過ぎないので、詳しくは他の方のレビューをご覧ください)。
では、Montereyに対応している他の中古品のモデル(Mac mini 2018など)はどうかというと、中古品相場が50,000円〜くらいとかなり高くなってしまいます。
だったら、iOSリリース作業のためだけのPCとしてではなく、メインPCとしてMac mini M1を購入すればいいのではないかと考えました。
Mac mini M1について
Mac mini M1(8GB, SSD256GB)は、Appleの新品価格で79,800円。
いままで中古品の価格を見てきたこともあり高く感じますが、コストパフォーマンスはかなり高いモデルです。
というのも、M1というAppleが開発したチップ(SoC)は、8コアCPU・8コアGPU(Mac mini)を搭載しており、GeekBenchのマルチコアスコアでは、Intel Core i9-9980HK搭載MacBook Pro以上のスコアです(i9-9980HK MacBook Pro: 6821, M1 Mac mini: 7422、GeekBenchより)。
(何よりもすごいのは、この性能で低消費電力だということです。)
※ただし、M1は新しいチップなため、M1に対応していないソフト・機器があります。利用したいソフト・機器がある場合は、事前に確認してください。
この性能でありながら、吊るしモデルが10万円を大きく下回っているというのはかなり驚きです。
そのため、上記のような中古品を買うよりも、このコスパ最高なMac mini M1を買おうと思ったのです。
また、M1搭載Macは、Mac miniの他にMacBook Air, MacBook Pro, iMacがありますが、私はすでにモニター・キーボード・マウスを持っていたこともあり、この中で一番安いMac miniにしました。
とはいえ、金額それ自体は高いので、今まで使っていたメインPCを売って、Mac mini M1を買いました。
Apple Storeの価格は79,800円ですが、学生・教職員価格であれば73,800円で、Apple認定整備済み製品であれば67,980円で購入できます。
私が購入しようと思ったときは認定整備済み製品が売り切れであり、早く届いてほしいのもあって、Amazonで購入しました。Amazonポイントも付きました。
Mac miniのためのアクセサリ
Mac miniはデスクトップPCなので、モニター・キーボード・マウスを用意する必要があります。
Apple純正のキーボード・マウス・タッチパッド↓
私は、前のメインPCですでに使っていたものを利用しています(ディスプレイは下の旧型を使ってます)。
Windows用のキーボードでも基本的にはMacで使えます。
ただ、印字と実際のキーが異なったり、WindowsとMacでキーの機能が異なったりするので、その調整のための設定は後述します。
使っているモニターは昇降なしのスタンドなので、高さを上げるためモニター台を利用しています。
また、モニターを買った際にHDMIコードは付属していたのですが、付属コードの取り回しが悪かったので、長さ30cmで細めのHDMIケーブルを利用しています。
さらに、利用しているキーボードは高さがあり、手首を痛めやすいので、リストレストも利用しています。
おすすめの設定
ここで、Macのおすすめ設定を紹介します。
マウスのスクロールの方向を逆にする
Macのデフォルト設定では、マウスのスクロール方向がWIndowsのそれとは逆になっています。
変更するには、システム環境設定>マウスの「スクロールの方向: ナチュラル」のチェックを外します。
入力ソース
私はWindowsでGoogle日本語入力を利用しているので、Macにも導入しました。
ダウンロードしたあと、システム環境設定>キーボード>入力ソースを以下のようにしました。
左下にあるマイナスボタンを押すと、不要な入力ソースを削除することができます。
ABC入力ソースはマイナスボタンが無効になっており削除できないと思いますが、「日本語-かな入力」の英字にチェックを入れると、ABC入力ソースを削除できるようになります。
詳細は以下の記事をご覧ください。
キーカスタマイズ
Windows用のキーボードをWindowに近い操作感で利用できるように、キーのカスタマイズをします。
このカスタマイズは、Karabiner-Elementsというソフトを利用します。
インストールを終えると、Karabiner-EkementsとKarabiner-EventViewerというアプリが追加されていると思います。
その両方のアプリを開くと、それぞれAlert(警告)が出て、システム環境設定での設定変更を求められます。
まずは、システム環境設定から、セキュリティとプライバシー>一般を開き、下の方にあるカギをクリックした上で、アプリケーションの許可をします。
次に、同じくセキュリティとプライバシーのうちプライバシーを開き、入力の監視を許可します(下画像参照)。
以上の設定が終わると、Karabiner-Elementsが使えるようになります。
Karabiner-Elementsを開きます。
キー配列の変更をするには、左下のAdd itemをクリックし、変更前のキー(From key)と変更後のキー(To key)を設定します。
私は、下の画像のように設定しています。
無変換キーと変換キーがそれぞれ英数キーとかなキーとしているのは、Mac純正キーボードの設定に合わせています。
また、MacではCommandキーというのが存在しますが、これはWindowsでのCtrlキーと同じような役割です(例えば、コピーはWin: Ctrl+C, Mac: Command+C)。
そのため、left_commandをleft_controlにし、left_controlをleft_commandにしています。
左側だけでなく、右側のCtrl, Commandキーを利用する場合は、right_command, right_controlも同様に設定しましょう。
※私のキーボードでは、WindowsキーがCommndキーとして機能していました。このKarabiner-Elementsによるカスタマイズにより、CtrlキーがCommandキーとして、WindowsキーがCtrlキーとして認識されることになります。
また、AltキーはOptionキーとして機能します。WindowsにおけるAltキーとMacにおけるOptionキーはほぼ役割が同じようなので、キーカスタマイズはしていません。
※この無変換キーと変換キーの設定をWindowsのGoogle日本語入力に導入しました。
導入方法は、以下の記事をご覧ください。
次に、F7やF10などでカタカナや英数字に変換する機能を使うために、Function keysの下にある「Use all… keys as standard function keys」にチェックを入れます。
これで、キー設定ができました。
ホットコーナー設定
Macには、Mission Controlという機能があります。
これは、現在開いているウィンドウをすべて表示し、ウィンドウを切り替えられる機能です。
この機能は、Ctrlキー+↑、または、Mission Controlのアイコン(Launshpad内にあります)をクリックすることで利用できます。
しかし、ホットコーナーという機能を利用することで、よりスムーズにMission Controlを使うことができます。
ホットコーナーとは、ディスプレイの隅にマウスカーソルを移動させると特定の機能を呼び出せる機能です。
ホットコーナーにMission Controlを設定することで、スムーズにウィンドウ切り替えできるということです。
この設定は、システム環境設定>Mission Controlの左下にあるホットコーナーから行います。
私は、以下のように設定しています。
キーボードショートカットなど
私がよく使うMac特有のキーボードショートカットなどを紹介します。
※Commandと表記していますが、先程のキー設定により、物理キーはCtrlキーを押すことになります。
- ファイル名の変更:Enterキー(WinではF2)
- ブラウザ更新:Command+R(WinではF5)
- アプリケーション切り替え:Command+Tab
- スクリーンショット:Shift+Command+3(Launchpadのスクリーンショットアイコンからも可)
- バックスラッシュ:Option+¥
画面が砂嵐に…
復帰時に、画面が砂嵐(アナログテレビのようにざらざらの画面)になることがありました。
が、ディスプレイの電源をつけ直すと、正常に画面が表示されました。
M1 Macで生じる問題のようです。以下の記事を参考にしました。
まとめ
ということで、Mac mini M1を購入した理由、おすすめアクセサリ、Windowsユーザー向けおすすめの設定(キーボード入力関係)、キーボードショートカットを紹介しました。
すでにMac mini M1でアプリ開発、アプリリリースをしてみましたが、動作はとても快適です。
ただ、Flutterでの開発のための環境構築に少し手間取ったので、以下の記事でまとめています。