第4世代Ryzen発表!Zen3採用Ryzen5000シリーズのスペック比較
Ryzen5000シリーズが発表されました!
この記事では、Ryzen5000シリーズのスペックを、Ryzen3000シリーズやIntel CPUと比較しながら紹介します。
Zen3について
Ryzen5000シリーズにはZen3が採用されています。
Zen3は、Zen2と同じく7nmプロセスを採用していますが、より高速、効率的になっています。
Zen3は、Zen2と比べ、IPCは19%向上しており、またレイアウトの変更によりコアあたりのL3キャッシュアクセス性能が2倍になっています(画像1参照)。

またワットあたりのパフォーマンスは、Zen採用のRyzen7 1800Xと比べ、Zen2採用のRyzen9 3900XTは2.0倍ですが、Zen3採用のRyzen9は2.4倍になっています。そして、Zen3採用のRyzen9のワッパは、Core i9-10900Kに比べ2.8倍とのことです(画像2参照)。

スペック
今回発表されたCPU一覧
コア/スレッド数 | 基本/ブーストクロック | L2/L3キャッシュ | TDP | USD | |
Ryzen9 5950X | 16/32 | 3.4/4.9GHz | 8/64MB | 105W | $799 |
Ryzen9 5900X | 12/24 | 3.7/4.8GHz | 6/64MB | 105W | $549 |
Ryzen7 5800X | 8/16 | 3.8/4.7GHz | 4/32MB | 105W | $449 |
Ryzen5 5600X | 6/12 | 3.7/4.6GHz | 3/32MB | 65W | $299 |
Ryzen9 5950X
Ryzen9 3950Xとの比較
コア/スレッド数 | 基本/ブーストクロック | L2/L3キャッシュ | TDP | USD | |
Ryzen9 5950X | 16/32 | 3.4/4.9GHz | 8/64MB | 105W | $799 |
Ryzen9 3950X | 16/32 | 3.5/4.7GHz | 8/64MB | 105W | $749 |
Ryzen9 5950Xは、Ryzen 3950Xと比べ、ベースクロックは0.1GHzの低下、ブーストクロックは0.2GHz上昇しています。
この性能の差に加えて、Zen2からZen3になったことによる性能向上が、以下の画像3, 4のデータに表れているといえます。
値段は、$50USD高くなっています。


Ryzen9 5900X
Ryzen9 3900XTとの比較
コア/スレッド数 | 基本/ブーストクロック | L2/L3キャッシュ | TDP | USD | |
Ryzen9 5900X | 12/24 | 3.7/4.8GHz | 6/64MB | 105W | $549 |
Ryzen9 3900XT | 12/24 | 3.8/4.7GHz | 6/64MB | 105W | $499 |
Ryzen9 3900X | 12/24 | 3.8/4.6GHz | 6/64MB | 105W | $499 |
Ryzen9 5900Xは、Ryzen9 3900XTと比べ、ベースクロックは0.1GHzの低下、ブーストクロックは0.1GHz上昇しています。
実際の性能差は画像5を参照、値段は$50USD高くなっています。

Core i9-10900Kとの比較
コア/スレッド数 | 基本/ブーストクロック | L2/L3キャッシュ | TDP | USD | |
Ryzen9 5900X | 12/24 | 3.7/4.8GHz | 6MB/64MB | 105W | $549 |
Core i9-10900K | 10/20 | 3.7/5.3GHz | 256KB×10/20MB | 125W | $488 ※10900KFは$472 |
Ryzen9 5900Xは、i9-10900Kと比べ、ベースクロックは同等、ブーストクロックは0.5GHz低いですが、キャッシュは多く、TDPも低いです。
値段は、10900Kに比べ$61USD高く、内蔵GPUのない10900KFに比べ$77USD高いです。
シングルスレッド性能は、Ryzen9 5900Xがi9-10900Kを大きく上回っており、CinebenchR20でのシングルスレッドのスコアは、Ryzen9 5900Xが631、i9-10900Kが544となっています(画像6)。
このシングルスレッド性能は、ゲームプレイに大きく関わり、ほとんどのゲームでRyzen9 5900Xの方がi9-10900Kより高い性能を出せています(画像7)。


Ryzen7 5800X
Ryzen7 3800XTとの比較
コア/スレッド数 | 基本/ブーストクロック | L2/L3キャッシュ | TDP | USD | |
Ryzen7 5800X | 8/16 | 3.8/4.7GHz | 4/32MB | 105W | $449 |
Ryzen7 3800XT | 8/16 | 3.9/4.7GHz | 4/32MB | 105W | $399 |
Ryzen7 3800X | 8/16 | 3.9/4.5GHz | 4/32MB | 105W | $399 |
Ryzen7 5800Xは、Ryzen7 3800XTと比べ、ベースクロックは0.1GHz低下、ブーストクロックは同等となっており、値段は$50USD高くなっています。
Core i7-10700Kとの比較
コア/スレッド数 | 基本/ブーストクロック | L2/L3キャッシュ | TDP | USD | |
Ryzen7 5800X | 8/16 | 3.8/4.7GHz | 4MB/32MB | 105W | $449 |
Core i7-10700K | 8/16 | 3.8/5.1GHz | 256KB×8/16MB | 125W | $374 ※10700KFは$349 |
Ryzen7 5800Xは、i7-10700Kと比べ、ベースクロックは同等、ブーストクロックは0.4GHz低いですが、キャッシュは多く、TDPも低いです。
値段は、10700Kに比べ$75USD高く、内蔵GPUのない10900KFに比べ$100USD高いです。
Ryzen5 5600X
Ryzen5 3600XTとの比較
コア/スレッド数 | 基本/ブーストクロック | L2/L3キャッシュ | TDP | USD | |
Ryzen5 5600X | 6/12 | 3.7/4.6GHz | 3/32MB | 65W | $299 |
Ryzen5 3600XT | 6/12 | 3.8/4.5GHz | 3/32MB | 95W | $249 |
Ryzen5 3600X | 6/12 | 3.8/4.4GHz | 3/32MB | 95W | $249 |
Ryzen5 5600Xは、Ryzen5 3600XTと比べ、ベースクロックは0.1GHz低下、ブーストクロックは0.1GHz上昇、TDPは95Wから65Wへと低くなっており、価格は$50USD高くなっています。
Core i5-10600Kとの比較
コア/スレッド数 | 基本/ブーストクロック | L2/L3キャッシュ | TDP | USD | |
Ryzen5 5600X | 6/12 | 3.7/4.6GHz | 3/32MB | 65W | $299 |
Core i5-10600K | 6/12 | 4.1/4.8GHz | 256KB×6/12MB | 125W | $262 ※10600KFは$237 |
Ryzen5 5600Xは、i5-10600Kと比べ、ベースクロックは0.4GHz低く、ブーストクロックは0.2GHz低いですが、キャッシュは多く、TDPも大幅に低いです。
値段は、10600Kに比べ$37USD高く、内蔵GPUのない10900KFに比べ$62USD高いです。
まとめ
今回発表されたRyzen5000シリーズは、3000シリーズと比べコア/スレッド数は変わらず、基本/ブーストクロックもあまり変わりませんが、Zen2からZen3になったことによる性能向上が大きいといえます。
この性能向上はシングルスレッドの性能においても見られ、すでにZen2でIntelと同等となっていましたが、今回のZen3でIntelを超えるシングルスレッド性能となりました。これにより、AMDに比しIntelにあったゲーム性能の優位性が大きく低下したことになります。
ただ、価格が$50USD高くなったのは残念であり、コスパがIntelとあまり変わらなくなっているものもあります。
今後は、Xなし等のモデルが登場すると思いますが、こうしたモデルも価格が上がるのかどうかが注目されます。
5nmプロセスを採用するZen4が2022年までに登場するとの告知も今回なされており、今後14nmプロセスから脱するであろうIntelとの競争がどうなるのか楽しみです。
画像5以外の画像は下記公式動画より
画像5は公式ページ(英語版)より
Ryzen5000シリーズについての公式ページ(日本語版)はこちら
Intel Coreシリーズについての公式ページはこちら
※Ryzenの価格は上記動画より、Intel Coreシリーズの価格は価格.comマガジンより