Xperia Ace IIは”買い”なのか?スペックを詳細に紹介!

2021-05-23

docomo公式ページより

先日、Xperia Ace IIが発表され、ドコモでの取り扱いも発表されました。

Xperia Ace IIは、エントリーモデル・ローエンドモデル(性能が低く価格が安い製品)であり、ドコモでの価格は税込22,000円です。

この記事では、Xperia Ace IIが”買い”なのか、スペックを詳細に見ながら考えます。

また、同時期に発表されたローエンドモデルであるarrows Be4 Plusとも比較します。

結論をいうと、スマホをほとんど連絡手段として利用するのであれば、Xperia Ace IIはありかもしれないと思います。

主なスペック

カラーブラック、ホワイト、ブルー
サイズ(幅×高さ×厚さ)約69mm×約140mm×約8.9mm
重量約159g
バッテリー容量4500mAh(内蔵電池)
OSAndroid™ 11
SoCHelio P35
最大通信速度受信時最大262.5Mbps/送信時最大75Mbps
内蔵メモリ(RAM/ROM)4GB/64GB
外部メモリmicroSD/microSDHC/microSDXC(最大1TB)
ディスプレイ約5.5インチ/HD+
アウトカメラ25mm(広角+深度測位):有効画素数約1300万画素/F値2.0
インカメラ有効画素数約800万画素/F値2.0
Wi-Fi®IEEE802.11a/b/g/n/ac
Bluetooth®ver.5.0
外部デバイスUSB Type-C®
防水/防塵防水(IPX5/IPX8)、防塵(IP6X)
おサイフケータイ®
情報取得/リンク(NFC)
生体認証〇(指紋)
3.5mmオーディオジャック〇(4極ヘッドセット(CTIA規格準拠)対応)
フルセグ/ワンセグ-/-
FMラジオ
ワイヤレス充電
ソニー公式ページより

SoC

この端末の最大の焦点の一つとなるのが、SoCについてです。
SoCとは、CPU(中央処理装置)やGPU(画像処理装置)などを統合したチップのことで、このSoCの性能がスマホの性能に直結します。

そして、Xperia Ace IIに搭載されているSoCは、Helio P35。

Helioシリーズは、MediaTekという台湾企業のモバイル向けSoCのシリーズです。
スマホ向けのSoCとして有名なのは米・クアルコムのSnapdragonシリーズですが、MediaTekは格安スマホ向け(特に中国メーカーのスマホ)でのシェアをある程度有しています。

Helio P35の主なスペックは以下の通り。

最大CPU周波数2.3GHz
CPUコア数8
最大GPU周波数680MHz
プロセス12nm
MediaTek公式サイトより

このスペックだけ見ると、そんなに悪くないようにも思えます。
例えば、ミドルレンジ(中程度の性能・価格)のXperia 10 IIに搭載されているSnapdragon 665は、CPU周波数が2.2GHz、コア数は8、GPU周波数が600MHz、プロセスが11nmとなっています。

しかし、Helio P35の実際の性能はかなり低いです。

実性能を見る指標として、Antutu8ベンチマークのスコアを見てみます。

CPU44240
GPU11001
Memory27983
UX15002
Total score99396
NANOREVIEW.NETより, 端末によりスコアは変わります

Helio P35の総合スコア(上記表でのTotal score)は、9万9396点。
必要最低限のスペックの目安は10万点以上20万点以下だといわれており(参考サイト)、10万点以下は電話やメールのみの使用者向けだといわれているので(参考サイト)、Helio P35は、インターネット閲覧や動画視聴さえ厳しく、ゲームはほぼできないといえるでしょう。

マイナビニュースによれば、「ChromeでWebサイトをいくつか開いてみると、描画されるまで2~3秒ほど待たされ」るそうです。

(実際の動作を見たい場合は、YouTube等でMediaTek Helio P35と検索することをおすすめします。実際にゲームをプレイした動画などを見ることができます。)

ちなみに、先程例に出したSnapdragon 665の総合スコアは17万7550点です(NANOREVIEW.NETより)。

また、Xiaomi Redmi 9TやOPPO A73に搭載されているSnapdragon 662の総合スコアは17万6651点です(NANOREVIEW.NETより)。

さらに、SHARP AQUOS sense4に搭載されているSnapdragon 720Gの総合スコアは27万4313点です(NANOREVIEW.NETより)。

ここに、ローエンドとミドルレンジの差がはっきりと現れています。

ローエンドとミドルレンジを比較するのは酷かもしれません。
そこで、今回Xpera Ace IIと同時期にドコモから発表されたローエンドモデル「arrows Be4 Plus」に搭載されているSoC、Snapdragon 460を見てみると、その総合スコアは14万9116点(NANOREVIEW.NETより)。
同じローエンドモデルであっても、かなり差があることがわかります。
これは、Snapdragon 460が発表されたのが2020年1月であるのに対し、Helio P35は2018年12月に発表されたものであり、この世代の差が性能差にも現れているのだと思います。

ちなみに、現在販売されている「らくらくスマートフォン F-42A」のSoCであるSnapdragon 450よりも、Helio P35の方が若干性能が上です(Snapdragon 450のAntutu総合スコアは8万8177点、NANOREVIEW.NETより)。

ということで、Xperia Ace IIに搭載されているSoC「Helio P35」の性能はかなり低いので、スマホをほとんど電話やメール、メッセージをする用途でしか利用しないという方以外にはおすすめできません

これでほぼ結論は出たのですが、スマホをほとんど連絡手段として使うという方向けにXperia Ace IIをおすすめできるのか、スペックを詳細に見ながら以下検討していきます。

サイズ・重量

サイズ(幅×高さ×厚さ)は、約69mm×約140mm×約8.9mm。
幅が70mmを切っているので、片手でも持ちやすいサイズだといえます。
また、高さも、145mm以上のスマホが多い中で、低いほうです。
最近のスマホの中ではコンパクトな部類になります。
ちなみに、arrows Be4 Plusは約71×約148×約9.4mmです。

重量は、約159g。
個人的には150gを切ってほしいところですが、電池容量が4500mAhと多いわりには軽いといえます。
ちなみに、arrows Be4 Plusは約160gです。

バッテリー

バッテリー容量は、4500mAh。
これは、Xperiaのスマホとしては最大容量で、今回発売されたXperia 1 III, Xperia 10 IIIと同じバッテリー容量です。
ちなみに、Xperia Ace IIと同時期に発売されたローエンドモデルであるarrows Be4 Plusは、3600mAhです。

また、いたわり充電(ユーザーの充電習慣を学習し、充電完了直前に満充電になるよう充電を調整する機能)と、Xperia独自の充電最適化技術により、バッテリーが3年使い続けても劣化しにくいようになっています。

メモリ・ストレージ

メモリ(RAM)とは、一時的にデータを保存するのに使われるもので、よく机の広さに例えられます。
つまり、メモリ(RAM)が多いほど、一度に多くの処理をすることができます。
そして、Xperia Ace IIに搭載されているメモリ(RAM)は4GB。
ローエンドスマホとして十分な量です。
ちなみに、arrows Be4 Plusは4GB、去年のXperiaのミドルレンジモデルであるXperia 10 IIも4GBです。

そして、ストレージ(ROM)は、データを保存する場所ですが、Xperia Ace IIには64GB搭載されています。
既に述べたように、Xperia Ace IIはほとんど連絡手段でしたスマホを利用しない方向けのものであり、アプリをたくさんインストールすることはないので、写真を大量に撮らなければ64GBで足りないことはまずないでしょう。
ちなみに、arrows Be4、Xperia 10 IIもともに64GBです。

たとえストレージが足りなくなっても、Xperia Ace IIにはmicroSDカードを差すことができ、ここに写真などのデータを保存することもできます。

ディスプレイ

ディスプレイは、5.5インチのHD+、TFT液晶。

5.5インチは、最近のスマホとしてはコンパクトなサイズ感です。
ちなみに、arrows Be4 Plusは5.6インチ、Xperia 10 IIは6.0インチです。

解像度はHD+。フルHDよりも解像度が低いので、今までフルHD以上の解像度のスマホを利用していた方からするとザラザラ感を感じるかもしれません。
ただ、あまり解像度が高いと動作がさらに重くなってしまうので、低スペックなXperia Ace IIではHD+で十分だと思います。
ちなみに、arrows Be4 Plusも同じくHD+であり、Xperia 10 IIはフルHD+です。

また、TFT液晶が使われており、きれいだといわれる有機ELディスプレイではないですが、TFT液晶はまだまだ一般的に使われているので特に気にならないとは思います。
ちなみに、arrows Be4 Plusは有機EL、Xperia 10 IIも有機ELです。

カメラ

外側のカメラは2つついており、一つは広角カメラ、もう一つは深度測位カメラです。
2つカメラがあることにより背景ぼけをすることができ、被写体が浮き上がったような写真を撮ることができます。
広角カメラの方は、約1300画素、F値2.0、サイズは1/3.0インチ。
深度測位カメラの方は、約200万画素、F値2.4、サイズは1/5.0インチです。

内側のカメラは、約800万画素、F値2.0、サイズは1/4.0インチです。

カメラ機能として、プレミアムおまかせオートというものがあり、被写体や環境に応じて13種類のシーン×4つのコンディションを自動で判断し、最適な設定を選択し撮影できるそうです。

ちなみに、arrows Be4 Plusの外側のカメラは1つのみついており、その他のカメラスペックはほぼほぼ同じです。

外部接続

Wi-FiはIEEE802.11a/b/g/n/acに対応。Wi-Fi6と呼ばれるIEEE802.11axには対応していません。

Bluetoothはver5.0。最新は5.2ですが、メジャーアップデート後である5.0なので、問題ないでしょう。

充電端子はUSB type-C。USB PD3.0(急速充電)にも対応しています。
ちなみに、arrows Be4 PlusはUSB PDに対応していません。

防水/防塵

防水性能はIPX5/8。
IPX5とは、内径6.3mmのノズルを用いて、約3mの距離から約12.5リットル/分の水を3分以上注水する条件で、あらゆる方向からのノズルによる噴流水によっても、電話機としての性能を保つことです。
IPX8とは、常温で水道水、かつ静水の水深1.5mの水槽に静かに本製品を沈めた状態で約30分間、水底に放置しても本製品内部に浸水せず、電話機としての性能を保つことです。
ソニー公式ページより

防塵性能はIP6X。
IP6Xとは、防塵試験用粉塵(直径75μm以下)が電話機内部に入らないように保護されていることです(ソニー公式ページより)。

また、ガラスは高強度のCorning Gorilla Glass 6が採用されています。

ちなみに、防水性能・防塵性能ともにarrows Be4 Plusと同じです。

その他機能

Xperia Ace IIは、おサイフケータイ、NFCに対応しています。
おサイフケータイのかざす位置が上の方にあるので、かざしやすいです。

また、電源ボタンに指紋認証センサーがついており、上面には3.5mmイヤホンジャックが搭載されています。

さらに、「かんたんホーム」という機能があります。
これは、ホーム画面の文字やアイコンサイズを大きく見やすい表示にして、短縮ダイヤルへのショートカットで頻繁に通話する相手にかんたんに電話がかけられるようになる機能です。

FMラジオを聞くことはできますが、ワンセグ/フルセグには対応していません。

また、ワイヤレス充電にも対応しておらず、また、ハイレゾにも対応していません。

加えて、Xperia Ace IIは、4Gスマホです。5Gには対応していません。

このあたりの仕様も、arrows Be4 Plusとほぼ同じです。
違いとしては、arrows Be4 Plusはハイレゾに対応している点です。

価格

Xperia Ace IIのドコモオンラインショップでの価格は、税込22,000円です。

ちなみに、arrows Be4 Plusの価格は、税込21,780円です。

まとめ

Xperia Ace IIの大きな特徴は、4500mAhという大容量バッテリーです。

このバッテリー容量でありながら、コンパクトなサイズにおさめていることもあわせてその特徴だといえます。

その他のスペックは無難なものとなっていますが、やはりネックとなるのはSoCです。

ネットサーフィンでさえ不安のある性能なので、あまり勧められるものではありません。

勧めることができるとすれば以下のような方です。

  • ほとんど電話やメール、メッセージしか使わない方
  • 連絡用のサブスマホを欲しい方
  • らくらくスマートフォンを使用していてあまり不満に思わなかった方
  • 子どもにはじめてスマホを与えるけど、ネット閲覧やゲームをしてほしくないと思う保護者
  • スマホ中毒から脱却したい方

まぁ、こんな感じだと思います。

コンパクトでシンプルで安いスマホなので、電話やメール、メッセージしか使わないという方で、この性能にある程度我慢できる方にとっては”買い”かもしれません。
そうした方であっても、この記事執筆時点ではまだ発売されておらず、実際の動作がどの程度のものなのかはっきりとはわからないので、実際の使用レビューがある程度出たあとで買うかどうかを判断するのが賢明だと思います。

そのため、安いスマホがいいけどインターネット閲覧をある程度したいという方には、arrows Be4 Plusの方がおすすめです。
arrows Be4 Plusの方が、Xperia Ace IIと比べ、性能が高く、ディスプレイがきれい(有機EL)で、ハイレゾにも対応しています。
ただし、arrows Be4 Plusは、Xperia Ace IIよりも、サイズが大きく、バッテリー容量が小さく、外側のカメラが1つだけである点は注意してください。

また、よりコストパフォーマンスを追及したい方は、以下のRedmi 9TやA73, AQUOS sense4がおすすめです。

Xperia Ace IIのソニー公式ページはこちら、ドコモ公式ページはこちら

arrows Be4 Plusのドコモ公式ページはこちら

Xperia 10 IIのドコモ公式ページはこちら

以下の文章は、個人的なことですが、参考になる方もいるかもしれないので、一応書いておきます。

私個人としては、コンパクトでシンプルなスマホが好きで、スマホよりもパソコンやタブレットに触れていることの方が多く、スマホを連絡手段として使うことがほとんどなので、Xperia Ace IIへの機種変更もありかなと思っています。やはり安いのはなんだかんだいいことです。
ただ、基本動作でもたつくのは嫌なので、実際のレビューがある程度出てくるまで様子見です。

Xperia 10 IIは151gと比較的軽いので、ありかなとも思っているのですが、現在ドコモオンラインショップでの在庫がないようなので、まだ検討しているという感じです。
後継のXperia 10 IIIは、重量が169gで、個人的な基準では重いのでなしです。

Pixel 4aも検討しているのですが、Pixel 4aにはmicroSDカードを刺せないので、今までmicroSDカードを利用していた者としてはひっかかるところです。ただ、Pixel 4aは143gと軽いのが魅力です。
後継のPixel 5aは、重量が183gで、個人的な基準ではかなり重いのでなしです。

今のところ、Pixel 4aが第1候補です。

Xperia Ace IIについて、個人的には、3万円台になってもいいからSoCをもう少し性能の高いものにしてほしかったのですが。。
「かんたんホーム」という機能があることからも、はじめてスマホを使う人を主なターゲットの一つとしているようですが、はじめてスマホを使う人だからこそ、画面がフリーズしたり強制終了したりすることがないよう、もう少し高いスペックのSoCを搭載すべきようにも思います。