新型Oculus Quest 2を旧型Oculus Questとスペック比較!

新型Oculus Quest 2が発表されました。
現時点ですでに予約が始まっていて、発売日は2020年10月13日となっています。
この記事では、新型Oculus Quest2について、旧型Oculus Questと比較しながらスペックの詳細を紹介します。
スペック比較
Quest2 | Quest | |
SoC | Snapdragon XR2 Platform | Snapdragon 835 |
RAM | 6GB | 4GB |
容量 | 64GB|256GB | 64GB|128GB |
ディスプレイ | 高速スイッチLCD | OLED |
解像度 | 1840×1920(片目) | 1440×1600(片目) |
リフレッシュレート | 90Hz (60,72,90Hzをサポート) | 72Hz |
重量 | 503g | 571g |
バッテリー | ゲーム:2h 動画視聴:3h | ゲーム:2h 動画視聴:3h |
充電 | USB type-C 2.5h | USB type-C 2h |
IPD | 3段階 | 無段階 |
ヘッドストラップ | ソフトストラップ | セミハードストラップ |
価格 | 64GB:¥37,100 256GB:¥49,200 | 64GB:¥49,800 128GB:¥62,800 |
SoC
SoCは、Snapdragon 835 から Snapdragon XR2 Platform へとアップグレードされています。
このXRとは、extended realityのことで、AR, VR, MR向けに作られたSoCです。
このXR2のCPU/GPUの詳細スペックについては公表されていませんが、前世代のXRに比べ、CPU/GPU性能はそれぞれ2倍、ビデオ帯域幅は4倍、対応解像度は6倍、AI性能は11倍となっているようです。
XR2の前世代であるXRは、旧型Questにも使われていたSnapdragon 835をベースとしているので、このXRからXR2の性能向上は、旧型QuestからQuest2の性能向上として考えてもほぼ間違いないでしょう。
このXR2は、1.5倍のピクセルレートと3倍のテクセルレートをサポートすることでGPU処理を飛躍的に向上させ、XR固有の機能により低電力消費を維持しながら重いワークロードをレンダリングできます。
そして、Snapdragon XR2ディスプレイパネルは、1秒あたり90フレーム(fps)で1眼あたり最大3K x 3Kの解像度を提供し、8K360°をサポートしており、この仕様がQuest2の仕様にも反映されています。
ちなみに、Quest2にはQualcomm® FastConnect™ 6800が搭載されWi-Fi 6に対応しているので、ダウンロードがより高速になります。
参考:Qualcomm Technologies Announces the World’s First 5G XR Platform, Qualcomm Snapdragon XR2 Platform Commercially Debuts in Oculus Quest 2
RAM
Quest2のメモリは、旧型Questの4GBから2GB増量し、6GBとなりました。
このメモリ増量は、CPU/GPUの性能向上と伴い、より快適なゲームプレイを可能とするでしょう。
ストレージ容量
Quest2のストレージ容量は、64GBと256GBのモデルとがあります。
旧型Questは64GBと128GBのモデルが用意されていたので、128GBが256GBへと変更された形になります。
旧型Questが発売されたときと比べゲームタイトルは増えており、今後より大型のVRタイトルがくるでしょうから、256GBモデルが新たに用意されたといえます。
もっとも、64GBで十分という声もあるため、安い64GBモデルをそのまま残したのだと考えられます。
ディスプレイ・解像度・リフレッシュレート
Quest2のディスプレイ解像度は、旧型の1440×1600から、1840×1920ドットへとピクセル数が増加しており(いずれも単眼あたり)、より高解像度となっています。
ディスプレイパネルは、旧型のOLEDから、高速スイッチLCDへと変更されています。
OLEDとは有機ELのことで、LCDとは液晶ディスプレイのことです。
OLEDは、LCDと比べて黒が綺麗に出て、反応速度が速く残像が少ないというメリットがあり、この点では旧型Questの方がQuest2よりも優れています。
しかし、OLEDは、LCDに比べ高価であり、またディスプレイ寿命が短く、焼付きの問題もあるというデメリットがあります。
ですので、一概にOLEDの方がLCDよりも良いとは言い難いです(逆も然り)。
Quest2のLCDは、"高速スイッチ"LCDということで、リフレッシュレートは90Hzまで対応しており、また高解像度にもなっていますから、ディスプレイがダウングレードしたとまではいえません。
さて、このリフレッシュレートについてですが、旧型の72Hzよりも速くなっており、よりなめらかな画面を見ることができます。
ただし、当面は72Hzで、今後のアップデートにより90Hzにも対応するという形のようです。
重量
重量は、旧型の571gから503gへと、68g軽量化されています。
この重量の軽量化は、サイズが若干小さくなったこと(旧型:193×105、新型:191.5×102mm)や本体素材の変更(旧型:ファブリック、新型:プラスチック)、ヘッドストラップの変更(旧型:セミハードストラップ、新型:ソフトストラップ)によるものと考えられます。
バッテリー・充電
バッテリーの持ちは、旧型と変わらず、ゲームプレイで約2時間、動画視聴で約3時間となっています。
また、充電端子は旧型と同様USB type-Cで、フル充電までは、旧型から30分伸びて2時間30分となっています。
IPD(瞳孔間距離)
IPDは、旧型と同様調整ができますが、旧型が無段階調整(59~71cm)だったのに対し、Quest2では3段階調整(58,63,68cm)になっています。
無段階調整できなくなったため、より自分にあった調整ができなくなったという面もありますが、この調整は難しいので、3段階という明快な調整ができるようになったのはよいアップデートだとも捉えられ得ると思います。
ヘッドストラップ
ヘッドストラップは、旧型がセミハードストラップであったのに対し、Quest2はソフトストラップになりました。
ソフトストラップになったことによって、軽量になり、簡単に調整ができ、またストラップを畳むことができるようになったため、よりコンパクトに収納することができます。
コントローラー
コントローラーについては、ボタンの大まかな位置や数は変更がないですが、親指を置くスペースが新たに設けられ、よりしっかりとコントローラーを持つことができるようになっています。
コントローラーの駆動方法は、旧型と変わらず単三電池2つです。
価格
Quest2の価格は、64GBモデルが37,100円、256GBモデルが49,200円(いずれも税込)です。
旧型Questは64GBモデルが49,800円、128GBモデルが62,800円だったので、64GBモデルについては12,700円安くなっており、256GBモデルは旧型の64GBよりも安いという破格の値段です。
全体的にスペックアップしながらこの価格というのはとてもびっくりしました。
なぜこの価格を実現できたのかという点については、以下のような要因があると思います。
- ディスプレイを高価なOLEDからLCDへと変更
- 本体素材を高級なファブリック素材からプラスチックに変更
- 大幅な生産数増加
- ゲームタイトルの数の増加・売上増加
旧型のQuestは品薄の状態が長く続いており、また公式サイトとAmazonでのみの購入でしたが、今回は実店舗でも販売するということで、生産数を大幅に増加したものと考えられます。これによりコストも下げることができたのではないでしょうか。
また、ゲームタイトルの数が増加し、売上も増加しているでしょうから、ソフトでの売上をより重視し、さらに多くの人にハードを使ってもらえるよう安くした(たとえハードの売上が赤字でも)のでしょう。
Oculus Quest というハードは発売時点でVR機器としてほぼ完成されたものという印象だったので、その形を継承しながら性能を向上し、安価になったOculus Quest 2はさらに完成されたモデルとなったと思います。
Oculus Quest 2でも引き続きOculus Linkの利用によりPCVRゲームをプレイできるので、このQuest2の登場によりVRの世界がさらに広がっていくことを期待しています。
参考:性能2倍、ピクセル数50%増加、小型軽量化された「Oculus Quest 2」実機レビュー、ヘッドセットを比較する(公式ページ)